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越前海岸からの版画ゆうびん 第2回

―生き生きとした作品

福井市鮎川の越前海岸に、「くにみクラゲ公民館」ができたのは昨春のこと。元公民館の建物を再活用しているのが名前の由来で、水族館としては珍しい個人経営の施設です。田中俊之館長は、新しい工夫を取り入れて、来館する人たちを楽しませる仕掛け作りに日々奮闘されています。

小さい水族館ですが、エチゼンクラゲを代表とする地元の海の生きもののほか、遠くから取り寄せられた珍しい種類のクラゲ、カニ、タツノオトシゴ、小ぶりなサメなど生きもの好きの私にとっては一日中、居続けたい場所です。

たびたび展示替えもあるので、時々は学校帰りの子どもと一緒に足を運んでいます。切断された部分を再生するヒトデ、逆さまにガラスに張り付いているサカサクラゲと、個性豊かな生き物たちをとても見やすい形で観察できる非常にありがたい施設です。

春休みにこの水族館で木版画のワークショップを開催しました。田中館長が同行し、網とバケツを持って水族館近くの港へ出向き、生きものを探して捕まえるところから始めました。捕まえた生きものを観察し、水族館の様々な生きものも合わせて子どもたちにスケッチしてもらい、下絵作りをして版画制作に取り掛かりました。版木の彫り方や摺り方を熱心に習得しながら、親子で合作してくれる子もいたり、参加者の皆さんが、作品完成に健闘し、充実の版画教室となりました。これからも(このような教室を開催してゆく予定なので)皆さんの生き生きとした版画作品に出会えることが、とても楽しみです。

※この記事は、2023年5月11日に掲載された日刊県民福井の連載「越前海岸からの版画ゆうびん第2回」の原文です。

この記事に出てきた人

くにみクラゲ公民館 田中俊之

福井市在住。小島隊員と共にクラゲ専門店Atolla(アトゥーラ)として事業をしていた古参メンバーの一人で、その専門性を活かし、2022年に「くにみクラゲ公民館」を設立。
クラゲに限らず、生き物全般に精通していて、学校の課外学習等で講師として招かれた実績も多数ある多忙な館長だが、いつでも水族館への来場者を楽しませる工夫を考えている。

この記事を書いた人

版画ゆうびん舎 おさのなおこ

2019年末頃、東京都町田市からIターンで移住。
版画ゆうびん舎を運営し、版画作品、版画を使った日用品・デザイン等を制作し、地域に開かれた版画教室を主催。2019年~2022年は、越廼・国見地区の地域おこし協力隊に就任し、ガラス作家で隊長の長谷川らと共に、古民家「はりいしゃ」でアート関連事業を数多く手掛ける。