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東京出張で感じたこと

今回の東京出張で感じたことは、東京という同じ日本とは思えない環境でサバイブしている人たちの強さとかタフさだ。

田舎で商いをやっている立場からすると、どうしても比べてしまうところがある。
こんな人が多いところでやってみたいという気にさえなる。

大きな人の波の中に流されてみると、最初は心地よく楽しめるのだが、だんだん自分のアイデンティティが薄れていくような気持ちになった。
それは、人が集まるところで商いをやることになんの意味があるのかを考えさせてくれた。
ビジネスチャンスという言葉の通りそこにはたくさんのチャンスが流れているんだろうと思う。

その分レッドオーシャンになり固定費は上がりハイリスクハイリターンになる。
リスクが大きくなるとお客様のためによりも売上のためにの方が大きくなる気がして、誰かのためにやるということを忘れてしまいそうになりそうだ。

今回、北陸新幹線延伸による再開発で駅前に出店しないかという打診をいくつか受けたが全て断った。

それは人の流れに合わせて簡易的なサービスを飛地で提供するよりも自分の陣地で万全のサービスを提供することが自分には合っていると考えたからだ。

海に近い生産地で提供できる強みがある。
越前海岸の越廼地区で越前がにと地魚専門のレストランをやっている枩田卓也というアイデンティティを確立したい気持ちの表れなのかもしれない。

2次交通などほとんど無いに等しい来にくい場所、人口800人台の通常ならマーケットが無いとされる場所でも今だに全国から多くのお客様にお越しいただいている。

また来るねの言葉に背中を押されながら今年でレストランを開いて15年目を迎える。
魚屋として創業からは約半世紀。
紆余曲折、波瀾万丈、さまざまなことがありながらここまで来ている。

さらに今後もいろいろあるだろうと思う。広げるよりも掘り下げることを意識して、この地で何かを確立したいという強い意志が自分の中にあることに気づいた。

老舗は小さく深い。
それは何十年、何百年も時代や環境の変化に耐え、強い風当たりをかわしながら続いていることの証だ。

今後、さらに研鑽を重ねて『まつ田』のアイデンティティを繋げていきたいと思う。
越前海岸、越廼のまつ田として深掘りして老舗と呼ばれる域まで到達することが目標になった。

明日も頑張ろう。

この記事を書いた人

副隊長 / 魚屋の喰い処まつ田 枩田卓也

越廼地区出身・在住。
観光客に人気の地魚店 魚屋の喰い処まつ田 を営業する名物兄弟の兄。
我ら越前海岸盛り上げ隊の副隊長でもあるが、その見た目・性格は隊長長谷川と正反対で、巨漢の多弁のひょうきん者。一方で、優れたアイディアマンであり、これまでの様々な盛り上げ隊事業の多くは、彼の構想が元になっている。