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ワタリグラス ガラス展 @ はりいしゃ

盛り上げ隊ブログでも何度か取り上げている、僕たちの活動拠点「はりいしゃ」。
クラウドファンディングで母屋を整備し、その後、隊員が自ら道具を手に取って、ギャラリースペースも完成させました。

2021年12月は、木版画家の田中彰さんをお招きして母屋でオープンスタジオを行いました。
2022年4月は、木版画家の鶴賀啓太郎さんの作品をお借りして、ギャラリーで初めての木版画展を開催しました。
2022年6月は、越前海岸で吹きガラス工房を営む「ワタリグラススタジオ」が、ガラス展を開催します。

「ワタリグラススタジオ」代表の長谷川は、越前海岸盛り上げ隊の隊長でもあります。
またギャラリーとしては、現地で作家と対話しながら作品を鑑賞できる初めての機会なので、本企画は、あらためて地域交流のための「ギャラリーはりいしゃ オープニング企画」として開催します。
そこで広報部の伊藤が、現在展示会に向けて準備を進めているワタリグラススタジオの長谷川(通称「ワタルさん」)の元へ取材へ行ってきました。

伊藤:「今回は、ギャラリーはりいしゃのオープニング企画としてガラス展を開催されることになりましたね。なのでまずは、何故はりいしゃにギャラリーを併設することになったのか、ワタルさんの想いを聞かせていただけますか?」

長谷川:「古民家で展示会をやりたい、って想いは以前からあってね。良いところがないか探していたんだけど、なかなか見つからなかった。ちょうどはりいしゃを見つけた時、日本建築の母屋と、西洋風な診療所があって、展示会をやるには面白いだろうな、と思った。」

長谷川:「両方レトロだけど、雰囲気が違ってて、どっちもいい。人の手の痕跡、手を動かして作っている感じが残っているのが好き。」

伊藤:「人の手の痕跡って、例えばどういうところに感じますか?」

長谷川:「はりいしゃは、普通だと真四角で収めるところを、真四角で収めてない箇所が所々にある。角が取れた柱とかを、上手く接ぎ合わせてある。それに合成素材(クロス・合板)とかを無暗に使ってない。」

流石、職人の目線ですね。はりいしゃの様々な箇所が、少ないシンプルな道具だけを使って、職人の技でもって仕上げてしまってあり、そういうところは、自らの吹きガラスの仕事にも似ている、と長谷川は語ります。

長谷川:「地域活動の交流拠点としてのはりいしゃは、宿泊施設の機能だけだと、外部から人は呼べるけど、地元の人達との交流は生まれにくいと思った。」

長谷川:「気軽に借りられる、敷居の高くないギャラリーを併設すれば、誰かの何かの発表の場としても楽しいし、地元の人達が散歩ついでに寄れる、開かれた場所になる。」

伊藤:「実際に、前回の鶴賀啓太郎さんの木版画展では、来場された地元の方に、診療所であった頃の懐かしさを感じていただき、展示会をきっかけに、地域の交流が生まれましたね。」

さて、話は展示会の内容に迫ります。

伊藤:「今回のガラス展は、どんな作品が並ぶのですか?」

長谷川:「クラゲ公民館ができたので、まず、クラゲ作品。それから、シンプルな器かな。はりいしゃの暮らしに合うような既存のラインナップに加えて、新しい作品も少し出すよ。あと、ペンダントライト(ランプシェード)とか。」

ワタリグラススタジオと言えば、「海中こびん」という作品に代表されるような、越前海岸の海そのものや、水の潤いや躍動感を感じさせる作風のイメージが強いですが、今回見せていただいたのは、これまでスタジオでは見たことのない、レトロなランプシェード。

長谷川:「レトロチックな作品を作ってみたかったんだけど、これまでそれに似合う場所が見つからなかった。」

長谷川:「このランプシェードは、もっと色を被せていく予定だったけど、試作の段階でそのまま放置しちゃってて(笑)。でも、時間を置いて見たら、このままで良いなって思い直した。」

長谷川:「基本は出来上がりを想定して作るけど、工程を踏んでいるうちに、思っていたのと違うものが生まれることもある。思っていた着地点より、良いものが生まれたりもする。そういうのが、この仕事をしていて楽しい瞬間かな。そういうのは再現が難しいから、しんどいことも多いけど(笑)。」

また普段の長谷川は、具象的なものの制作は比較的少なかったそうですが、今回は「クラゲ」を再現したオブジェも展示されます。
タコクラゲとミズクラゲの造形は、隊員でもあるクラゲ専門店「アトゥーラ」の小島さんが監修されたとか。
触手などクラゲの構造が、生物学的に正しく再現されているそうです。

ワタリグラススタジオの作品を既に知っている方も、まだ知らない方も、今回は、「越前海岸盛り上げ隊」の隊長としての作家の顔が見られる機会です。

今週末はぜひ、越廼の「ギャラリーはりいしゃ」へご来場ください!

ワタリグラス ガラス展

  • 2022年6月24日(金)~26日(日) 10:00~16:00
  • 福井市蒲生町1-42 古民家「はりいしゃ」
  • 国道305号線から山側の旧道へ入り、「枩田商店」の隣の隣。
  • 駐車場は越廼海水浴場のものをご利用ください。

お問い合わせ

この記事に出てきた人

隊長 / WATARIGLASS studio 長谷川渡

国見地区出身で、一度故郷を離れるも、Uターンして戻ってきた。
WATARIGLASS studio を運営する吹きガラス職人であり、我ら越前海岸盛り上げ隊の隊長。尖った人物の多い隊員達をまとめるだけあって、その眼差しは鋭いが、時にお茶目な一面も見せる。決して口数は多くないが、情熱を内に秘め、過疎化が進む越前海岸エリアの振興に尽力。

隊長補佐 / WATARIGLASS studio 長谷川陽子

大阪府出身で、隊長長谷川渡と結婚し、Iターンで移住した。
自身も WATARIGLASS studio の吹きガラス職人でありつつ、仕事に、家庭に、地域活動にと、夫と二人三脚で越前海岸エリアの振興に尽くす博学・聡明な妻。

この記事を書いた人

システム担当 / Qwel Design 伊藤大悟

2019年末頃、東京都町田市からIターンで移住。
Qwel Design (クヴェルデザイン) として、web・システム制作、子どもプログラミング教室等事業を個人で運営。妻は版画ゆうびん舎を運営するおさのなおこ
隊内ではシステム担当で当サイトのwebマスターを担い、熱く実直に組織改善、地域課題にも向き合う。