ブログ&ニュース

blog and news

令和6年度 越前海岸盛り上げ隊の歩み

集まれた一部の隊員たちで記念撮影 (2024年11月)

今年の1月、私たち越前海岸盛り上げ隊は、第15回「地域再生大賞」において「優秀賞」を受賞しました。

「地域再生大賞」は、人口減や少子高齢化に悩む地方で町おこしや地域課題の解決に取り組む団体を応援しようと、地方新聞47紙と日本放送協会、共同通信社が創設した賞です。

以下、越前海岸盛り上げ隊の紹介記事を抜粋します。

観光から伝統文化まで、地域資源をフルに楽しむ

福井市の越前海岸エリアで、人口減少や閉塞感を打開しようと「楽しい」「面白い」を核に観光マップなどでの情報発信、海や川、伝統文化を舞台にした体験コンテンツの開発、人々のつながりを重視した交流拠点の運営、移住受け入れコーディネートなどを展開。多様なメンバーの個性を生かし、自然や風土、人といった地域資源をフル活用している。「ここ」で楽しむ大人たちの姿を通して、豊かな暮らしを子どもたちにつなぎたいとする。

地域再生大賞より引用

そんな越前海岸盛り上げ隊のこの1年間の歩みを振り返ってみようと思います。

1. 港町旧道商店街

令和5年に第1回を開催した「港町旧道商店街」を今年度も実施。現国道305号線から一本横手にある旧道商店街にて、人が交わる風景を少しずつ取り戻していこうという復活イベント。今回も出店する事業所を募り、空き家を借りて、街並みに合った穏やかな雰囲気のイベント開催となった。

秋にも実施する予定だったが、事業所の日程が合わず開催は見送ることとなった。

■フライヤーデザイン

2. 路線バスde越前海岸に行ってみよっさ!(福井市との共同企画)

本企画は、福井市と連携し、路線バスや地域コミニュティバスを使って「越前海岸」を訪れた方を対象に、海岸エリアのスポットや風景をデザインしたオリジナルステッカーなどの「限定ノベルティ」をプレゼントする、という内容だった。

以下の画像は、そのオリジナルステッカー3種。

3. 教育旅行の受け入れ

■成果

北陸新幹線延伸に伴い、関東方面の学校への修学旅行誘致を推進した成果として、初めて東京の中学校を受け入れることが出来た。
海に関する体験は好評で、アクティビティを希望する学校が多い。そのような状況の中、NPO法人「森のほうかご学校」が新しく隊に加入し、来年度からカヤック体験を越前海岸で提供できるようになった。また「ビーチコマース」での海洋ごみのワークショップの整備等、新しい取り組みが増えつつある。
体験については、いずれの事業所も30名程の受け入れ体制が整ってきた。今後期待される埼玉や神奈川方面の学校は、200名以上の学校が多いので、連携して受入れ体制を強化していきたい。
農家民泊の受入れ家庭数は、現時点17家庭。内今年度は2家庭増えたので、紹介を頂くなどして受け入れ家庭を広げていきたい。

■課題と今後の対応

SDGsの学び体験の充実

事前学習・事後学習と連携させることで、学校側の採択率が上がる。体験をより有意義にするため、学習の流れを作る必要がある。

情報発信の強化

体験や民泊について、イメージ動画を作成すると学校や親御さんに伝わりやすい。また、ブログの記事作成も含め、広報人員の配置が大きな課題。

インバウンド展開

今年度はファムトリップを日本国内の学校だけでなく、海外の学校も見据えて対応できるよう体験プログラムのブラッシュアップを図りたい。

4. はりいしゃレジデンシー

2021年より、越前海岸盛り上げ隊の活動交流拠点である古民家「はりいしゃ」では、併設のギャラリーを活用し、県外からの招聘作家に滞在制作・展示会を行なって頂く「はりいしゃレジデンシー」を行ってきた。

越前海岸エリアの見どころや各事業所へアテンドしたり、交流会の開催を通じて、地域独自の文化・風景を発見する機会を設け、後半部で作品を制作し、展示会を通して発表していただくプログラムとなっている。

今年度は、3組6名のアーティストがこのプログラムに参加し、地域と交流しながら作品展やワークショップを実施した。

また、今年度から「はりいしゃレジデンシー」のカテゴリートップページ、およびインスタグラム公式アカウントも運用を開始した。

■新聞記事の一部

5.越前海岸ファムトリップ

観光ビジネスコンサルタントの刀根浩志の協力を得て、旅行会社・メディア関係者・インフルエンサーなどを観光事業の現地視察に招く「ファムトリップ」を実施した。

事業目的

越前海岸の多数のコンテンツを専門家・旅行会社・メディア関係者などに体験してもらい、インバウンドや国内旅行客に向けた受け入れ体制の構築を図る。

開催期間

2025年1月22日(水) – 23日(木)

開催内容

県外からツアー企画や発信の専門家を招聘し、越前海岸盛り上げ隊活動エリアの各事業所を回り、1泊2日のファムトリップを実施。

【専門家】

刀根浩志 氏(観光ビジネスコンサルタント)、蔵本倫大 氏(旅行会社)、稲見みずえ 氏(旅行会社)、 田中沙季 氏(メディア関係者)、千葉深香 氏(観光まちづくりプロデューサー)

【越前海岸盛り上げ隊】

アテンド担当: 髙橋要、松平成史、松平裕子

参加事業所: ワタリグラススタジオ、魚屋の喰い所まつ田、吉田金右衛門商店、佐介蕎麦、岩尾醤油醸造元、志野製塩所、ホテル割烹石丸、くにみクラゲ公民館、カフェマーレ、ごーる堂、ビーチコンバー、点景

事業全体の総括

意見交換会では専門家から以下のようなコメントや指摘をいただいた。

●ヴィーガンへの対応:特にインバウンドはヴィーガン食の需要が高いため、エリア内の飲食店や宿ではヴィーガン食への対応を進めたほうがよい。

●発酵ツーリズム:日本酒や醤油など発酵関連のコンテンツはインバウンド向けにも受けやすい。翻訳の際に使う言葉が若干専門的な単語が多くなるので、しっかりとその部分を訳することのできる通訳が用意できるとよい

●朝食の用意:近くに買い物できる場所がないため、一棟貸しやゲストハウスでは朝食(材料のみ)を用意しておくと宿泊者は助かる。エリア内で用意するメニュー・材料を統一するものよい。

今後の展開

今後は意見交換会で出されたアイディアを各事業所で反映を進め、足並みを揃えて進めたほうがいい部分については情報交換を行いながら引き続き準備を進めていく。

6.その他のプロジェクト

これら以外にも大小様々なプロジェクトが実施されてきた。以下はその一部。

  • 能登震災のための「はりいしゃチャリティー撮影会」(有志カメラマン主催)
  • 第10回「海辺の手しごと市」(ワタリグラススタジオ主催)
  • 「はりいしゃ」での展示会企画各(ギャラリーはりいしゃ運営委員会主催)
  • 国見盛り上げ隊」(地元の現役中学生主体の観光振興チーム)発足・指導(担当: 伊藤)
  • 国見地区にて「学校再編と未来創造検討会」発足(参加者: 長谷川、伊藤、石丸)
  • ワーケーションに関する意見交換会&交流会(主催: 福井市、会場: 点景)

役員退任挨拶~感謝を込めて

さて、私事ではございますが、この度令和7年3月末日をもって、越前海岸盛り上げ隊役員を退任させていただくことになりました。在任中は、会員の皆様には大変お世話になり、本当にありがとうございました。

振り返れば、あっという間の9年間(事務局歴8年間)でした。事業主ではない私にとりましては、志の高い皆様と共に活動をさせていただきながら、様々の事を学ばせていただき、とても貴重な経験となりました。事務局任期中は、色々と大変な時もありましたが、その時々に皆様からの力強いサポートをいただけたからこそ、こうしてやり遂げることが出来たと心より感謝いたしております。

役員退任後は、皆様のご活躍を少し離れたところで見守らせていただきながら、一会員といたしまして、隊の活動に協力そして応援させていただきたく思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

国民宿舎鷹巣荘 北井留美

この記事を書いた人

国民宿舎鷹巣荘 北井留美

福井市出身で、一度福井を離れるもUターンで戻り、国見地区在住。
子供時代に越前海岸へ幾度となく訪れた経験から、この地域をこよなく愛する。
国民宿舎鷹巣荘の企画担当にして、隊内では事務局を務め、定例会・総会の度に資料作成などを率先して行ってくれる、縁の下の力持ちである姉御的存在(その後2025年3月事務局退任)。