先日、福井附属中学校の生徒さんが社会創生プログラムの一環で、越前海岸に来てくれました。そのときの様子を広報部がレポートしたいと思います。

今回彼らが行なったフィールドワークは、その土地の地域性を知り、仕事、子育て、暮らしなどといった視点から、自分たちならどういう街づくりをしていくのかをアウトプットしていくためのものでした。
各々生徒たちが越前海岸とはどういう地域なのかを質問し、盛り上げ隊のメンバーがそれに応えます。
全6会場をローテーションで見学する形でのフィールドワークでしたが、このレポートでは3会場を取り上げます。
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フィールド ① 越廼公民館 地域おこし協力隊、版画家としても活動。 おさのなおこさん
フィールド ② はりいしゃ 地域に人が集まる拠点づくりを。 高橋要くん
フィールド ③ 国見クラゲ公民館 国見に旧公民館を新しくクラゲ専門の水族館を来春オープン。 館長 田中俊之さん
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フィールド①:越廼公民館
地域おこし協力隊・版画家 おさのなおこさん
おさのさんは元々東京の町田で版画家として活動していましたが、友人の呼びかけがきっかけで、地域おこし協力隊として越前海岸に移住してきました。
「人の繋がりやここにしかない地域の魅力を感じ、定住を決断しました。田舎暮らしに憧れていたこともあり、実際ここで子どもを育てるのは大変だけど、変えがたいものがあります。仕事においては、版画家は和紙に絵を映す必要があるので、この土地では越前和紙が簡単に入手できるのは嬉しいこと。人間国宝の方がいたり、伝統工芸が揃っており、版画家として魅力ある場所だと思っています。」
おさのさんが感じた福井や越前海岸の価値を真剣な眼差しで聞く子どもたちからは、核をつく質問が次々と。
「子どもが成長するのにはいい環境ということがわかりました。高齢者にとっての街の環境は考えていますか」
「まちづくりの発信・地域の魅力はどうやって発信していけば良いですか」
おさのさんは言います。
「元気な大人から独特な暮らしの知恵を学んでいること。(版画家として)作品の奥行きの要素を聞き、生かしています。そんなありのままの暮らしをそのまま教えてもらう大人も大切な存在です。」
そんな中、同席されていた公民館の方も地域の課題や魅力を語ってくれました。
「イベントをすると若い人は参加側に回りますが、上に立つものがいなく若い人が育たない後継者不足など、負の連鎖があります。ですが、教育面では指導の目が行き届くので、塾に行かなくても学力が高く、志望校に行ける子どもがたくさんいます。」
環境は厳しいけれど、自分たちの街を守っていきたい。
そんな公民館の方から出た言葉は、
「自分たち自ら参加したいと思えるものを作っていきたい。」。
生徒たちはどう受け止めたでしょうか。

「こしの祭り、お盆、社において、実は御神楽の存在はとても大きく、芸術性の高い文化がありとても素晴らしいと思っています。これは本当に残していってほしいものであり、(その魅力が大いに発揮されないことが)もったいないと思うことばかりです。」
最後になおこさんは越廼にある芸術性についても生徒たちに伝えます。
→フィールド ② はりいしゃへ続く
地域に人が集まる拠点づくりを。 高橋要くんの案内はこちら
この記事に出てきた人


山形県出身で、殿下地区の地域おこし協力隊としてIターンで移住した。
越廼地区の美しい景観を作っている越前水仙を栽培・販売する ノカテ を運営する他、多数の地域活動グループで活躍してきた実績を持つ。
隊内では、クラウドファンディングで隊員を牽引し、また都市部から招いたゲスト達との交流事業の多くを担当し、彼の名前通り隊の要となっている一員。

福井市在住。小島隊員と共にクラゲ専門店Atolla(アトゥーラ)として事業をしていた古参メンバーの一人で、その専門性を活かし、2022年に「くにみクラゲ公民館」を設立。
クラゲに限らず、生き物全般に精通していて、学校の課外学習等で講師として招かれた実績も多数ある多忙な館長だが、いつでも水族館への来場者を楽しませる工夫を考えている。
この記事を書いた人

福井市出身。結婚を機に越前海岸エリア内鷹巣地区へ移住。
デザイン事務所 mogurimasu を運営し、ビジネスやライフスタイルに応じてデザインされたフライヤー、パンフレット、ロゴ、商品を提案。
隊内ではデザイン担当に留まらず、古民家「はりいしゃ」の改修やレジデンシー事業、会計庶務など、多岐に渡って活躍する努力の人。
2022年には、薪ストーブと焚火を楽しむ会 薪アイアイ を設立。