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アートプロジェクト対談 徳本萌子×長谷川渡 (後編)

前半は越前海岸で移動手段にチョイノリバイクの話しや使っているトゥクトゥクの話題で盛り上がりました。後半は今回の展覧会のお話を伺いました。

アーティスト 徳本萌子さん
ワタリグラス 長谷川渡
Qwel design 伊藤大悟(インタビュアー)

以下 徳:徳本/長:長谷川/伊:伊藤

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一瞬一瞬の出会いを形にしていく

伊:それではぼちぼち、展示会の話に進んでいきたいと思いますが、どうでしょう、ワタルさん今回の展示会はどのようにご覧になられましたか?

長:僕自身はガラスとかを作ってるんやけど、アーティストではなく職人だと思っていて、でもそういう要素(アーティストの表現)をいいなとか、羨ましいと思っていて、なんでしょう、僕は(ガラスの)素材に限定されているから、発想を瞬時に取り入れていくアドリブ的な、一瞬一瞬の出会いを形にしていくのはすごいなと思いました。

伊:ありがとうございます。では徳本さんお聞きしたいのですが 、こんな風に言ってくださるワタルさんや越前海岸のメンバー やここに来て感じたことなどを話していただけますか。

徳:まず場所が用意されているというのはありがたいです。そもそも結構、レジデンスで展示する場所が遠くて通うのが大変というのはあります。こうやって(滞在スペースとしての母屋と、展示スペースとしてのギャラリーが)一緒になってて、こうやって短い期間で展示ができているスピード感につながっているのかなと思います。

それと、越前海岸は全然お店がないから、誰かに聞かないと解決できないことが多いです。でも、 それは逆に盛り上げ隊の方それぞれ、違う持ち味や得意なことで、「これは任せて」とか違うので、聞いていくと、解決することがたくさんあって、例えば「DAISOになんかあるかも」という世界ではないところで、色々ものづくりとかが回っているというのがやっぱりすごいと、素晴らしいと思いました。

長:なんかその辺の物で何とかなったりとかします。

徳:でもガラスを作ってる方がいたりとかデザインをされる方がいたりとか人のバリエーションがあるのが、なんというか田舎ではあまり見かけないですよね。

皆:笑

伊:そうですねそれがやっぱり越前海岸盛り上げ隊の強みというか特徴でもありますね。

長:しばらく街に出てガラスの勉強して帰ってきたんですが、やっぱり街にいる間は、多分もっと他にいろんな人がいたと思うのだけど、 ガラス仲間や近辺の人としか会わなかったんです。 
帰ってきたときは変な感じがしたんけど、全然違う人がいっぱいいて、なんか面白いなと、、、(個性が)被らなくて、キャラクターが勝手に冴えてる感じのような人が多いんです(笑)。

伊:そうなんですよ、面白いんですよね!

展示会の話

伊:では、今回、(レジデンス招聘で来られているもう一人の作家の)田中彰さんはこちらにいらっしゃらないのですが、徳本さんから田中さんについて紹介していただけますか。

越前海岸の国見クラゲ公民館に立ち寄って下さったお二人

徳:田中彰さんは一言で言うと木版画を制作している作家なんですけれど、小学校でやっているような版画とはちょっと違って、出てくる図柄も緻密で、その中に物語があるような描画をします。すごい特徴的なのは リサーチをかけずに、その時得たものを形にしていき、さらに形にしていく方法もインスタレーションと言って、体を動かしながらする―例えば丸太をくり抜いて、その中に洞窟を作りその中に(テーマに沿ったものを)表現していったり、今回のような植物を採取して砕いてパステルにして箱づめにしたり。

今回滞在制作してくださった木版画家の田中彰さん
植物を採取して作ったパステル

他に魚を釣って原寸大の物を版画にしたりするんですが、魚拓ではなく、自分が観察したことを作品に盛り込んでいきます。そして、彫刻刀を使って彫るのではなく、電熱ペンを使って掘ることで版画をされてる作家です。

伊:ありがとうございます。ここでちょっとお二人の作品を見てみましょうか。

2021年12月に来られた時に釣ったスズキ

伊:サザエとかメバルとかここら辺は越前海岸でとれた魚の作品を描いています。こっちは去年の釣って、冬に制作したスズキですね。こんな彰さんをワタルさんはどんな風にお感じになっていますでしょうか。

長:そうですね、対象の向かい方が、すごく真剣だなっていうのを感じます。あ、これは—

伊:キジハタかな。

手前がキジハタ

長:これが全部、越前海岸の魚っていうのがね、すごいね。釣りの腕も相当やもんね。

伊:そうだと思います。

長:好きなんだなぁ。 好きなことを反映してるだね

伊:そうですね、ちょっと羨ましいですね。

徳:もしよかったら映像も見てください

伊:これは徳本さんのドローイングですね。

伊:これが立体スケッチなんですね。

徳:ちょうどちょいのりをしてた途中で粘土で 形作ってみました。現物を見たらお客さんが議論し始めちゃって、これは〇〇岩じゃない?って面白いですよね。

伊:これから仕上がって行くって感じですね。あと織ネーム工場の柳澤さんの話もちょっと入れたいので、Tシャツの宣伝して終わりにしましょうか。こちらご紹介していただいてよろしいでしょうか。

越前海岸を着よう

徳:こちら協力隊のおさのなおこさんが、私が越前海岸に来る前に葉っぱを採取して送ってくださって、先程の織ネームの銀糸でミシンで縫いこんで行ったものを、スキャナーで取り込んで、原画にしたものをTシャツにしました。

殿下の郷土料理葉寿司で使われるアブラギリの葉っぱや越前海岸にあるザクロ、スギ、トベラ、ヤブニッケイなど
柳澤織ネーム株式会社の柳澤さんが徳本さんの越前海岸のイメージをタグにしてくださいました

写真↑は、丸岡の伝統ある折機で織ネームをされてる柳澤さんが、徳本さんが描いてくださった越前海岸のロゴを織ってくださいました。当日は徳本さんの計らいで、参加者の方のご希望の位置に銀糸でタグをつけてくださることに。

徳:トベラや葉寿司に使うアブラギリなど私も知らない植物がありました 。こういうのって普通滞在中に作るんですが、滞在場所を知るのに先に作らせてもらったのが良かったです。

伊:素敵なTシャツで僕も一着買わせてもらいました。

徳:こちらはカサゴです。版画の線が細かすぎてプリントできないということがありましたが、あの織ネームではカニをモチーフにしたものをタグにしました。

伊:ほんと素敵ですよね。今日は対談ありがとうございました。

徳:こちらこそありがとうございました。

この記事に出てきた人

隊長 / WATARIGLASS studio 長谷川渡

国見地区出身で、一度故郷を離れるも、Uターンして戻ってきた。
WATARIGLASS studio を運営する吹きガラス職人であり、我ら越前海岸盛り上げ隊の隊長。尖った人物の多い隊員達をまとめるだけあって、その眼差しは鋭いが、時にお茶目な一面も見せる。決して口数は多くないが、情熱を内に秘め、過疎化が進む越前海岸エリアの振興に尽力。

システム担当 / Qwel Design 伊藤大悟

2019年末頃、東京都町田市からIターンで移住。
Qwel Design (クヴェルデザイン) として、web・システム制作、子どもプログラミング教室等事業を個人で運営。妻は版画ゆうびん舎を運営するおさのなおこ
隊内ではシステム担当で当サイトのwebマスターを担い、熱く実直に組織改善、地域課題にも向き合う。

版画ゆうびん舎 おさのなおこ

2019年末頃、東京都町田市からIターンで移住。
版画ゆうびん舎を運営し、版画作品、版画を使った日用品・デザイン等を制作し、地域に開かれた版画教室を主催。2019年~2022年は、越廼・国見地区の地域おこし協力隊に就任し、ガラス作家で隊長の長谷川らと共に、古民家「はりいしゃ」でアート関連事業を数多く手掛ける。

この記事を書いた人

デザイン担当 / mogurimasu 鈴木淳子

福井市出身。結婚を機に越前海岸エリア内鷹巣地区へ移住。
デザイン事務所 mogurimasu を運営し、ビジネスやライフスタイルに応じてデザインされたフライヤー、パンフレット、ロゴ、商品を提案。
隊内ではデザイン担当に留まらず、古民家「はりいしゃ」の改修やアート企画、会計庶務など、多岐に渡って活躍する努力の人。
2022年には、薪ストーブと焚火を楽しむ会 薪アイアイ を設立。

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