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鳥や魚はどうして海や大陸を移動するのか①―田中彰

「はりいしゃ」併設のギャラリーにて、また新たに2024年のアートプロジェクトが始動します。

第1弾は、滞在が2年振りとなる、木版画家の田中彰さんと、”移動する植物とミシン”をテーマにした美術家の徳本萌子さんのお二人を迎え、再び滞在制作を行っていただきます。

今回の展示会の題名は、「鳥や魚はどうして海や大陸を移動するのか」。深い洞察力で自然を観察し続け、繊細な感性で表現をされるお二人の企画です。

この展示会は、一般的な絵画的鑑賞から一歩踏み出し、鳥や魚が移動することを考えるのは、人が移動することを考えることに繋がるのではないか、という二人の作家からの問いかけです。移動する鳥や魚の作品たちから、私たちはどんなメッセージを受け取るのでしょうか。

「鳥や魚はどうして海や大陸を移動するのか」作品展

  • 会期: 2024年8月17日(土) – 2024年8月25日(日)のうち、木~日曜日(月~水は休廊)
  • 時間: 13:00 – 19:00
  • 会場: 越前海岸盛り上げ隊交流施設「はりいしゃ」(福井市蒲生町1-42)
  • ワークショップお申込みフォームはこちら

2022年の夏に釣ったカサゴ。小丹生町の伊藤大悟さんの案内で、日が落ちて暗くなってから、テトラポット際にて。

越前海岸を訪れたのは2021年12月、2022年7月の2度。これまで茱崎の漁港でスズキ、キジハタ、メバル、アナハゼ、ワカシ、アミモンガラ、カマス、ヒガンフグ、クサフグ、小丹生町でカサゴ、遊漁船オーシャンクイーンではケンサキイカ、スルメイカ、マアジ、マサバ、エソを釣って原寸サイズの木版画にしました。地元の方と一緒にシュノーケリングで海中に入ったり、崖に挟まってミイラになった鹿を見たり、それらの経験も作品になっています。

木版画家 田中彰

岐阜県出身。茨城県を拠点に活動。自然と人との関わりを木版画で表現した作品を多く手がける。木の持つ時間や空間、身近な植物としてのコーヒー豆、魚釣りなど、人と自然の間を行き来しながらフィールドワークとしての木版画をベースに制作。

メッセージ

今回の滞在ではこれまでの越前海岸の取材から生まれた作品の展示とワークショップ「影の版画 夏のはりいしゃ」を開催します。また滞在中は新たな取材と、これまでに出会えなかった魚や人、懐かしい人たちにお会いするのが楽しみです。

略歴

1988年岐阜県出身
2013年武蔵野美術大学版画専攻卒業
2015年武蔵野美術大学大学院版画コース修了

主な実績

2016年個展project N 67 田中彰
(東京オペラシティ アートギャラリー 4Fコリドール・東京)
2016年個展樹について (三菱一号館美術館歴史資料室・東京)
2019年個展町田芹ヶ谷えごのき縁起 (町田市立国際版画美術館・東京)
2021年, 2022年滞在制作越前海岸AIR (はりいしゃ・福井)
2023年滞在制作粟島AIR (粟島芸術家村・香川)
2023年滞在制作南島原市AIR (アートビレッジシラキノ・長崎)
2023年滞在制作SHIPS白老プロジェクツ (白老・北海道)
2024年グループ展VOCA展 (上野の森美術館・東京)

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ワークショップのご案内

「影の版画 夏のはりいしゃ」

電熱ペンを使って越前和紙に焼いて穴を開け、開いた穴から光を通し、壁面に図柄を投影します。 図柄は大きくなったり、小さくなったり、ぼんやりしたり距離によって見え方が大きく変わりま す。 本来、版画では摺られる側として和紙を使いますが、今回は和紙そのものが版になります。焦が した越前和紙はどんな香りがするのでしょうか? 夏のはりいしゃにみんなでそれぞれの絵を投影してみましょう。もちろん影の中に、私たち人が 入り込むこともできます。みなさんのご参加お待ちしております。

  • 日時: 8月24日(土), 25日(日) 17:00 – 19:00
  • 参加費: 1,000円
  • 定員: 各日5名・要予約(人数が空いている場合は当日参加も可)
  • ワークショップお申込みフォームはこちら

越前海岸盛り上げ隊交流施設「はりいしゃ」について

福井市蒲生町1-42 古民家「はりいしゃ」
国道305号線から山側の旧道へ入り、「枩田商店」の隣の隣。
駐車場は越廼消防署脇をご利用ください。

この記事を書いた人

版画ゆうびん舎 おさのなおこ

2019年末頃、東京都町田市からIターンで移住。
版画ゆうびん舎を運営し、版画作品、版画を使った日用品・デザイン等を制作し、地域に開かれた版画教室を主催。2019年~2022年は、越廼・国見地区の地域おこし協力隊に就任し、ガラス作家で隊長の長谷川らと共に、古民家「はりいしゃ」でアート関連事業を数多く手掛ける。

当企画は、(公財)福井県文化振興事業団のアートプロジェクト支援事業による助成を受けています。